甲州光沢山青松院

松嶽庭[本堂北庭]


様式:池泉観賞式(山畔利用式、曲水式池線)
完成:昭和54年10月
作庭者:吉河 功
施工者:松井鍬治、福島 保、岸本弘一、ほか

本庭は、当寺開山が大永二年であることから、室町時代の作庭形式を根底とし、 その地割は名園旧秀隣寺庭園(室町時代・滋賀県)に代表されるような曲水式池泉 である。

松嶽庭
左手から見た松嶽庭全景

青松院の豊富な湧水と近隣の敷島町亀沢からの安山岩を利用して作庭された本庭は、 室町式石組として中央に渦巻式石組を用い、伝統的な鶴亀島も構成している。 池泉の西方に滝を組み、その手前に亀島を配し、中央に青石による石橋を架け、 また東方の池泉にも滝を組み、東方池泉中央に鶴島が配されている。

西の滝
1.西の滝
渦巻式と石橋
3.渦巻式石組と石橋
東の滝
4.東の滝
亀島
2.亀島
鶴島
5.鶴島

1.西の滝
水墨画的な美しさを持つ巨石と逆くの字形にひねった二段落の滝で主景の一つ。

2.亀島
全体に神秘の島らしい強さと滝方向への動きを表現。

3.渦巻式石組と石橋
正面築山上に組んだ渦巻式石組は、東西の景を結ぶ位置にあり、 全景の絶妙なバランスを保つ。中央の立石を中心に右回りの渦巻となり 景を右手の滝方向に伝えている。石橋は阿波青石。

4.東の滝
西の滝と異なり簡素な石組。ただ一石のいかにも水落石にふさわしい板石の 名石がこの落水の美を見せる。

5.鶴島
正確には鶴の岩島というべきもので、二石組みの岩島による鶴の表現は めずらしい。

松嶽庭
右手から見た松嶽庭全景


関連項目:吉河功氏(サイト外)日本庭園研究会(サイト外)

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