甲州光沢山青松院



【心の杖言葉】

「為君幾下蒼龍窟」
(君がため幾たびか下る蒼龍窟)


 柳緑花紅といい、遠山無限碧層層といい、禅の言葉はその字面以上の広がり、含みを持ちます。 龍の顎下にある宝珠を手に入れようと何度私は身の危険を冒してもぐっていったことか、が文字通りの解釈ですが、「君 がため」の君とは、いったい誰なのか。すでに泉下に帰った人なのか。 或は、遠く離れて現存する人なのか。或はイズムなのか。自分の拠って 立つべき思想的根拠なのか・・・。無限の広がりを感じさせます。

 また、「下る」とは。実際に身を粉にして労したこと。上昇を胚胎した下降・・・ 等々、想像はつきません。京都学派、上田閑照博士は二冊目の「十牛図」 の帯に 挫折ー転換ー精進ー飛躍 と含蓄のある言葉を記されてます。 (平成30年8月)


写真:平成30年8月7日 檀信徒先祖供養ならびに新盆供養




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