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【心の杖言葉】
菩薩行 (ボサツギョウ)
ウサギさん、おサルさん、キツネさん、三匹の動物がいました。
そこへ痩せた、みすぼらしい老人がとぼとぼ歩いてきました。
何か食べ物を恵んでもらえないでしょうか。
気の毒に思ったのでしょう。おサルさんは木に登り木の実をとってきて老人に与えました。
キツネさんは素早く川の中の魚をとり、やはり老人に与えました。
ウサギさんは何もあげるものがありません。
他の動物に燃やす木を用意させました。そして火をつけさせました。
ウサギはあっという間にその中に飛び込み、焼き肉になり、老人に食べて頂いたということです。
おかげで老人は栄養もつけ、恥ずかしくない衣服も身にまとうことができました。
江戸時代の禅僧、良寛さんは昔からあるこの話を子ども達に聞かせると、子ども達は涙を流し、良寛和尚の目にも涙が溢れていたということです。
月の中に見える靄のような、煙のようなもの・・・あれはウサギが身を焼いたときのものだという説があります。
(令和5年10月)
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