正師を得ざれば学ばざるに如かず ― 学道用心集 ― ここは奈良公園ではありません。印度の鹿野苑でもありません。 青松院の本堂の裏の庭に鹿が出現しました。時あたかも役員会が終わり、護持会長、建設委員長など10名ほどの役員が談笑してくつろいでいるころです。 私たちの方をじっと見ています。 「皆さん、いつもご苦労さんです。青松院・光の森こども園の活動はいつもシカと見ていますよ。」と言っているようにも聞こえました。 閑話休題。役員会のしばらく前には、光の森こども園で職員の先生方の職員研修がありました。 講師は本年もP先生です。関西在住の頃は河合隼雄先生の薫陶をうけ、山梨に来られてからも音楽療法の大家である松井紀和先生から臨床の要諦を伝授された心理学、臨床のプロです。 常日頃多くの子どもさんに接しておられる光の森こども園の保育士の先生方にとっては、かけがえのないスーパーバイザーです。 心理学、サイコロジーの語源はプシケ、私たちの魂の学問です。 「魂」の学問のプロから、保育士の先生方は毎年貴重な示唆、サジェスチョンを与えていただきます。 私たちの周りには、いろんな「先生」がおられます。 お習字の先生、ピアノの先生、語学の先生、芸術の先生・・・挙げればきりがありません。 その先生方自身もまた研鑽を続けていかなければ向上的に良い先生になれません。 「先生」によるパワハラ、アカハラ・・・なんていう言葉は聞きたくありません。 表題の学道用心集の言葉は禅のマイスターが禅学を学ぶ人に、参禅学道する人に向けた言葉です。 正師を得ざれば学ばざるにしかず。 「先生」という仕事に就かれている先生方に是非とも味わっていただきたい言葉です。 (令和6年8月)